1958年、アメリカでNASAが創設され、人間を宇宙空間へ送るマーキュリー計画が開始されます。NASA内部では、創設当時から月への飛行がよく話題にのぼったそうです。それは単なる夢物語ではなく、実現可能の領域にまで技術は進んできたからです。
NASAの初代長官キース・グレナンは、1958年当時にフォン・ブラウン博士と、月へ人間を送り込むためのロケットについて話し合っています。フォン・ブラウン博士は既にこの頃から、サターンという大型ロケットの開発構想を持っていたそうです。
また、1960年の春から夏にかけて、NASAではマーキュリー以降の長期計画が進み始めました。このプロジェクトの責任者の一人であるエイブ・シルバーシュタインは、サターンロケットに乗せる新しい宇宙船の名前を考えていましたが、なかなかコレ!といった名前が思い浮かびません。ところが、ある日たまたま手にした神話の本から、太陽の車に乗って大空をかけるアポロの姿を思い浮かべます。
輝かしい宇宙時代を象徴するような「アポロ」という名前は、新時代の宇宙船にふさわしいものとされ、同じ年の7月28日、NASAは「マーキュリーの次の宇宙船はアポロと呼ぶ」と正式に発表しました。