Top >  ケットと宇宙旅行の原型を神話と歴史と文学に探るはこちら >  ロケットを最初に作ったのは、どこの国でしょう?

ロケットを最初に作ったのは、どこの国でしょう?

ロケットを科学的に定義付けるとすれば次のようなものになるでしょう。

「自分の体内からガスを後方に墳出し、その反動で前進する能力を得る機械・乗り物」

ロケットそのものではありませんが、類似の原理はかなり古くから知られてはいました。一番古い文献では、紀元前360年、ギリシアのアウレス・ゲリウスという人が、『アテナイの夜』という著書の中で、針金で吊り下げられたハトが、その小さな吹き出し口から蒸気が吹き出すときだけ動く装置のことを書いています。

しかし、こういった装置ではなく、実用として私たちがイメージするロケットが発明されたのは11世紀~13世紀の中国です。火薬を発明したのが中国人ですから、それを応用した火薬ロケットの発明者が中国人なのも当然といえるでしょう。宇宙への憧憬というよりも、それは兵器として発明され進化してゆきました。中国の宋の時代のことです。

初めは、矢に火薬入りの筒を取り付けた簡単なもので、火箭(かせん)と呼ばれていました。その矢じりに毒を塗り、20本くらいまとめて竹や木の円筒に詰めて一斉に発射。導火線に火をつけると、筒の中の火薬に火がつくように工夫されていました。矢は竹製で、90センチ程の長さがあったようです。

12世紀に中国を征服したモンゴルは、この火箭の技術を引き継ぎ、アジアからヨーロッパにまたがる征服戦争に使いました。その結果、このロケット技術は13世紀頃にはヨーロッパにまで知られるようになりました。

以降、火薬ロケットは世界中で戦争の道具として使われ、大型化されていきましたが、18世紀末、イギリスのコングレーヴは、筒を鉄で作り火薬を改良し、飛行を安定させるために、棒の位置を変えました。また、ウィリアム・ヘールは吹き出すガスの方向を斜めにして、ロケットをスピンさせ、安定して飛ぶような工夫をしました。

コングレーヴ型と呼ばれたこれらのロケットは、19世紀にアメリカの独立戦争や、イギリスの対ナポレオン戦争に使われ、各国は競ってロケットを開発、保有することになっていきました。そして、20世紀になると、さらに誘導制御の技術が加わりました。ロケットが戦争の主役になるほど、戦争そのものが大規模になっていったからです。また、人類の宇宙への進出が現実のものとして考えられるようになったからです。

 <  前の記事 月へ旅する「宇宙旅行」小説の最も古いものは?  |  トップページ  |  次の記事 日本と世界の神話に見る月の神々たち…死と再生と豊穣  > 


更新履歴