第二次大戦中にドイツで開発された史上初のV2ロケットミサイル、アメリカ最初の人工衛星エクスプローラ、そして人類初の月面着陸を果たしたアポロ計画…。列挙しただけで、その技術の高さと凄さが分かろうというものですが、これが全て一人の天才の夢を実現させた結果であるという事に改めて驚かざるを得ません。
その人の名はウェルナー・フォン・ブラウン(1912~1977)
20世紀のロケット開発に多大なる貢献をして、歴史に名を残した偉大なる科学者。「月へ飛びたい!」という子ども時代からの夢とロマンを持ち続け、そして成功させた男…。
ウェルナー・フォン・ブラウンは、1912年3月23日、ドイツのポーゼン地方ヴィルゼッツのフォン・ブラウン男爵家に産まれました。
ウェルナー少年は、語学は得意だったようですが、学校の成績は余り良くなくて、特に不得意なのが数学でした。ただ、母親が折にふれてお話してくれる星の話を聞いて、天文学には興味を持ったようです。進学した中学は、父の選んだ法律学校でしたが、彼が最も魅力を感じたのは物理学でした。この時期に読んで魅かれたのは『惑星空間へのロケット』(ヘルマン・オーベルト著)。この一冊の本が彼のその後の人生を大きく変えたのです。
漠然とした天文学への憧れが、ロケットで月に飛びたい…という形になった瞬間かもしれません。しかし、数学の苦手なウェルナー少年には、本の中に頻出する方程式の意味が充分に理解できず、数学教師に教えを乞いました。教師は、ただこう答えたといいます。
「君がもし本当にロケットや宇宙の事を知りたいのなら、自分ひとりでこの数式が解けるように勉強しなさい」
ここで初めてウェルナー少年は、自分の将来の夢をかなえるには数学が必要である気がつき、猛烈
に数学の勉強を始め、その努力により教師の代理で授業が出来るほど数学力を身に付けたのです。