19世紀の終わりごろから20世紀の初めになると、宇宙旅行をロケットで実現可能であると考える科学者たちが登場してきます。ここでは、その中でも重要な位置を占める3人のパイオニアたちを紹介しておきましょう。
≪コンスタンチン・ツィオルコフスキー≫(ロシア・1857~1935)
「宇宙旅行の父」と呼ばれています。
耳が聞こえない聴覚ハンディを克服してロケットによる宇宙旅行の夢を描いた人です。
ツィオルコフスキーの研究から、次の独創的な理論が生まれました。
・ロケットでこそ宇宙を飛べる
・液体水素と液体酸素を推進剤とするロケットが最も性能が良い
・多段式ロケットアィデア
≪ロバート・ゴダード≫(アメリカ・1882~1945)
「近代ロケットの父」と呼ばれています。
1926年3月16日、アメリカのマサチューセッツ州オーバーンの農場で、世界史上初の
液体燃料ロケットの打ち上げに成功。一生をロケットの研究に捧げ、姿勢制御装置の改良に
努めて、数々の実験を行いました。
アメリカ政府は、アポロ計画を実施する際に214種類もの彼の特許を買い上げたそうです。
若い頃から宇宙旅行を夢みて周囲から「月男」と馬鹿にされる事も多かったそうですが、
死後になってようやく、憧れの月旅行に自分の技術を生かすことができたのです。
≪ヘルマン・オーベルト≫(ドイツ&ルーマニア・1894~1988)
「近代ロケットの先駆者」と呼ばれています。
11歳の少年時代に、母親からジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』をプレゼントされ、夢中
になって読みふけり、ついには全文を暗記してしまった程のSF少年でした。
ロシアのツィオルコフスキーが理論を打ちたて、アメリカのゴダードが実際に飛ばした宇宙への 乗り物ロケット…。
オーベルトは液体酸素とガソリンを使った液体ロケットを開発するなどして研究を続けましたが
『惑星空間へのロケット』や『宇宙旅行への道』など著書も出版しています。
特に『惑星空間へのロケット』はベストセラーになり、当時のドイツの青少年に多大な影響と宇
宙への夢を与えました。第一次世界大戦で敗北し、多大な債務に苦しむ国民は新しい夢を宇宙に
託したのでしょう。オーベルトの著書に感激した青年たちは、1927年ドイツ宇宙旅行協会
(VfR)を結成、小さなロケットから始めて液体燃料ロケットの製作に励みました。
この3人のパイオニアたちの努力と研究が実を結び、本格的な液体燃料のロケットが完成するのは次世代の天才、フォン・ブラウン博士の登場を待たなければなりませんでした。