19世紀に書かれた『月世界旅行』のストーリィが、100年後に実現したアポロ計画にそっくりだ、予言というより、むしろ予見・予測したようだ、というのはよく指摘される事です。
ヴェルヌの作品で、主人公たちが月に向かうのは1860年代のある年の12月。それから100年後の1968年12月、アポロ8号は初めて月を回る軌道に達し、無事地球に帰還しました。翌年の11号による月面着陸の道を開いた、このアポロ8号の飛行は、驚くほど『月世界旅行』に似ています。
具体的に共通点を挙げてみましょう。
・宇宙船の発射される場所:ヴェルヌの作品ではアメリカ、フロリダ半島の西海岸
アポロ計画ではアメリカ、フロリダ半島の東岸
※フランス人のヴェルヌが、なぜアメリカのこの地を選んだのか
全くの謎といわれています。
・乗員数:どちらも3名
・宇宙船のカプセル:ヴェルヌの作品では円錐型、底辺の直径2.7メートル、重量8.7トン
アポロ計画では円錐型、底辺の直径3.1メートル、重量6トン
ほぼ同じ位の大きさといえます。
・宇宙船の名前:ヴェルヌの作品では「コロンビアード」
アポロ計画では「コロンビア」
※これは…ひょとしたら、アメリカ人のほうがヴェルヌに敬意を示して
この名前にしたのかも…???
・生命維持装置:飛行士に酸素を供給する装置。
どちらも積んでいた
・軌道修正用小型ロケット:どちらも取り付けてあった
・地球への帰還:ヴェルヌの作品⇒太平洋上に落下、カプセルを救出するために船が落下地点に
向かうが、浮力により海面に浮かんでいた。おまけに、この
カプセルには、なぜか星条旗がついている!
アポロ宇宙船⇒パラシュートで海上に着水、支援船により回収される。
単なる偶然の一致と言える部分も、無きにしも非ず…なのですが、ヴェルヌのずば抜けた先見性によることが大きいと言えるでしょう。
ヴェルヌはまた、宇宙飛行士が体験する無重力状態の様子や、宇宙船の窓から見える暗黒の宇宙空間、白く輝く地球をリアルに描いています。こういったシーンも、後に私たちが映像で目にした通りなのですから、改めてその先見性に驚きます。