Top >  ケットと宇宙旅行の原型を神話と歴史と文学に探るはこちら >  イカロスの神話は、宇宙への夢かもしれない

イカロスの神話は、宇宙への夢かもしれない

ロケットに乗って月へ飛ぶ…。惑星間の宇宙旅行…。

21世紀の現在、最早実現不可能な夢ではありません。既に月には人類が降り立ち、月面基地の本格的な建設準備も2014年を目途に始まろうとしています。

私たち人類は、地上に生まれ、2足歩行を始め、両手を使い大脳を発達させ、火を使う事を知り、何度も愚かで破滅的な戦争を繰り返して、文明をここまで発達させてきました。それでも、地球を遥か離れて宇宙に飛び出すまでには、長い長い時間が必要でした。

……この地球を遠く離れて、はるか彼方の天体に飛び立ちたい……そんな思いが最初に描かれたのが、ギリシア神話に登場するイカロスかもしれません。

ヨーロッパ文明発祥の地と呼ばれる、エーゲ海のクレタ島。紀元前20世紀頃から栄えたミノア文明が花開いた地でもあります。

ラビュリントスと呼ばれる迷宮を設計したダイダロスは、ミノス王の怒りに触れ、息子のイカロスと共に牢獄に幽閉されてしまいます。そこで、脱出するためにダイダロスは鷲の翼を肩に蝋付けして、イカロスと共に空へ飛び立つのですが…。

太陽に近づきすぎると蝋が溶けてしまうから、低く飛べという父の言葉を無視したイカロスは、もっと高く高く、もっと遠くへ遠くへ…と太陽に向かって飛び続けます。そして、太陽に近づきすぎて燃え尽きたイカロスは、海に落下、悲惨な最期を遂げます。

このイカロスの神話が、広く人々に愛されてきたのは、人間の「宇宙への翼」への憧れのせいではないでしょうか。鳥のように空を飛ぶだけではなく、もっと高くもっと遠くへ行きたい…という夢に向かって飛び続けたイカロス…。

イカロスの夢は、かなえられませんでした。けれども、私たち後世の人間は、違う形で実現できました。
「翼」ではなく「ロケット」という形で……。

トップページ  |  次の記事 月へ旅する「宇宙旅行」小説の最も古いものは?  > 


更新履歴